ここでは、主に Windows での Python 実行環境について述べる。
Python のインストール
Windows の場合
Windows での Python のインストール方法がいくつかあるが、ここでは、 Python 公式サイト で配布されているものを使う方法を紹介する。 (この他に Microsoft Store からインストールする方法などもある。)
基本的には一般的なソフトウェアのインストールと同様である。 すなわち、Python 公式サイトのダウンロードページからインストーラをダウンロードし、起動すればよい。 インストール時に最初に出てくる画面では“Add Python 3.10 to PATH″にチェックを入れておこう (詳細は省略するが、これにチェックが入っていないとコマンドプロンプトから起動できない)。

macOS の場合
macOS の場合は状況が複雑である。
古めの macOS では Python が最初からインストールされているが、これらは古いので、最新のバージョンをインストールするのが望ましい。
なお python
と入力して実行されるのは Python のもうサポートされていないバージョン (Python2) なので、
実行する際は python3
と入力して新しい Python (Python3) を使うべきである。
新しめの macOS (12.3 以降) では Python は自分でインストールする必要がある。 その場合、いくつか方法があるが、
-
Python 公式サイト の ダウンロードページ からダウンロードしてインストールする
-
Command Line Developer Tools をインストールする (ターミナル等で初めて
python3
を実行すると、インストールを促すプロンプトが表示される)
などがある。
いずれの場合も python
ではなく python3
としてインストールされるようなので、以下で
python
としている部分は python3
と読みかえて欲しい。
Unix 系の OS (Linux 等) の場合
通常、最初から Python がインストールされている。
OS によっては python2
, python3
などとしてインストールされているかもしれない。
個別の事情は OS やディストリビューションによって変わるので、それぞれのドキュメント等を参照して欲しい。
Python を使う
Windows で Python を使うには、以下のようにする:
-
コマンドプロンプトを起動する。
そのためには、
> Windows システム ツール > コマンド プロンプト
とする。 すると以下のような画面が出現する。
Microsoft Windows [Version 10.0.19043.2006] (c) Microsoft Corporation. All rights reserved. C:\Users\user>
-
ここで、
python -V
(
V
は大文字。-V
はバージョンを表示せよ、の意味である) と入力してみよう。v3.10.7
(数字はインストールした Python のバージョンによって異なる) のような表示がされたら準備は完了である。 もしこのような表示にならず、エラーメッセージが表示される場合はインストールに失敗している可能性がある。Microsoft Windows [Version 10.0.19043.2006] (c) Microsoft Corporation. All rights reserved. C:\Users\user>
python -V Python 3.10.7 C:\Users\user>
Python スクリプトを書く
ここではエディターとして「メモ帳」を使ってファイルを書いてみよう。
Python スクリプト1を作成するときに注意しなければならないのは、どこにファイルを保存するかである。
コマンドプロンプトを実行したときには、 C:\Users\[ユーザー名]
というフォルダー2にいる (環境によっては若干違うかもしれない)
ので、ここに作成するのが楽である。
さらに簡単なのは、コマンドプロンプトで
notepad [ファイル名]
と入力してメモ帳を起動することである。
Python スクリプトのファイル名は通常 .py
で終わるので、ここでもそのように付けよう。
.py
の前は何でもいいが、例えば hello.py
などとする。
Microsoft Windows [Version 10.0.19043.2006]
(c) Microsoft Corporation. All rights reserved.
C:\Users\user>python -V
Python 3.10.7
C:\Users\user>notepad hello.py
C:\Users\user>
するとメモ帳のウインドウが出現する。 ファイルが無い場合は、新規に作成するか聞かれるので、はいと答える。
あとは普通に書けば良い。 保存すると、起動したディレクトリー (フォルダー) にファイルが作成される。
現在のディレクトリー (フォルダー) 内にあるファイルを知りたければ、
dir
コマンド (Unix 系 OS では ls
) を実行すればよい。
Microsoft Windows [Version 10.0.19043.2006]
(c) Microsoft Corporation. All rights reserved.
C:\Users\user>python -V
Python 3.10.7
C:\Users\user>notepad hello.py
C:\Users\user>dir
:
2022/10/01 12:00 41 hello.py
:
C:\Users\user>
ファイルの中身を確認したければ、
type [ファイル名]
(Unix 系 OS では cat [ファイル名]
)
としてファイルの内容を表示させることができる。
Microsoft Windows [Version 10.0.19043.2006]
(c) Microsoft Corporation. All rights reserved.
C:\Users\user>python -V
Python 3.10.7
C:\Users\user>notepad hello.py
C:\Users\user>dir
:
2022/10/01 14:00 41 hello.py
:
C:\Users\user>type hello.py
print("Hello, World")
print(1 + 2 + 3)
C:\Users\user>
ここでは、次のようなプログラムを書いた:
print("Hello, World")
print(1 + 2 + 3)
Python スクリプトを実行する
あとは、
python [ファイル名]
と入力すればよい。
もちろん [ファイル名]
には上で作成したファイルの名前を入力する。
すると、実行結果として、
Hello, World
6
が表示されるはずである。
Microsoft Windows [Version 10.0.19043.2006]
(c) Microsoft Corporation. All rights reserved.
C:\Users\user>python -V
Python 3.10.7
C:\Users\user>notepad hello.py
C:\Users\user>dir
:
2022/10/01 14:00 41 hello.py
:
C:\Users\user>type hello.py
print("Hello, World")
print(1 + 2 + 3)
C:\Users\user>python hello.py
Hello, World
6
C:\Users\user>
ちょっとだけ試してみたいとき
ちょっと確認したいことがあるが、わざわざプログラムを書くほどでもない、という場合は
Python の対話モードを使うことができる。
単に python
と実行すると、対話モードが開始される。
ここで例えば print(1 + 2 + 3)
と書いて Enter を押せば 6
と表示される。
終了させたい場合は exit()
とするか Ctrl-Z + Enter (Unix 系 OS では Ctrl-D) とする。
C:\Users\user>python
Python 3.10.7 (tags/v3.10.7:6cc6b13, Sep 5 2022, 14:08:36) [MSC v.1933 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>> print(1 + 2 + 3)
6
>>> exit()
C:\Users\user>
もっと便利に
上でみたように、とりあえずはメモ帳でもどうにかなる。 が、あまり使いやすくはないので、より良いテキストエディターをインストールすると良いだろう。 例えば Notepad++ というエディターは軽量だがそれなりに便利である。 もっと高機能なものもあるが、それらについては少し慣れてきたころに検討しても遅くないだろう。